金融緩和(アベノミクス)による経済格差拡大について考えてみた。

今回は金融緩和による経済格差の拡大について考えていきたいと思います。

今の日本はアベノミクスの一環として、日本銀行が大規模な金融緩和を行っている最中であり、そのおかげで景気はかなり良くなっています。株式市場では、日経平均株価がアベノミクス以前の約8000円から現在は約2万2000円まで上がり、円安のおかげで企業の利益はかなり増えました。

しかし、景気は良くなっているものの、好景気を実感できない、または給料がアベノミクス以前と全然変わっていないという人は多いのではないでしょうか。そのような、人によって景気の実感が異なる理由を説明し、金融緩和による格差拡大がなぜ起こるのかを考えていきます。

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金融緩和の仕組みを解説

現在の日本で行われている金融緩和は、量的質的金融緩和と呼ばれるものです。量的な面では日銀が金融機関から大量の国債を買い取り、金融機関にお金を供給する「買いオペ」を行い、質的な面では日銀が上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)のような金融資産を買い入れて資産価値を上昇させ、資産効果(投資家が儲けることによって消費を活発にさせる)を狙うというものです。

まず、なぜ日銀が金融機関から国債を買い上げて金融機関にお金を供給するかというと、銀行などの金融機関は自分の手持ちの現金が増えたら、その現金を企業などに貸し出そうと考えます。そうすると、現金が余った銀行は一斉に企業にお金を貸し出すようになり他の銀行に負けないように金利を低くしてお金を貸し出します。

そうすると企業は安い金利でお金を借りることができますので、そのお金を使って事業を拡大したり、新しく設備投資をしたりすることができます。また、通常は金融緩和が行われると通貨の価値が下落しますので円安となります。

実際にアベノミクスが始まる以前は1ドル80円くらいで現在は1ドル110円あたりまで円安になっています。そのため日本の輸出向けの企業の利益は大きく上昇し株高にもつながります。

なぜ金融緩和で経済格差が生まれるのか

これから、なぜ経済格差が生まれるのかを説明します。

労働者に還元しない日本企業

企業は順調に利益を増やしていってますが、金融緩和によって増えた分の利益を労働者に還元しないのです。企業の内部留保は現在、全体で約390兆円あり、ここ一年間で約25兆円ほど増えました。

しかし、企業はいくら稼いでもその儲けを労働者に還元しようとしません。このことは下のグラフを見るとわかります。労働者にどのくらい企業が利益を還元しているかを示す労働分配率はどんどん低下しています。最近ではもっと下がってます。

そもそも、日本の労働分配率はバブル崩壊以降下がり続けてます。他の国と比較してもわかる通り日本がダントツで低いです。もし今の好景気で労働者の賃金が上がらないのであれば、今後日本で労働者の賃金が上がることはあり得ません。

アベノミクスによって上昇する株価

アベノミクスが始まった当時からの日本株を見てみると、日経平均株価は約9000円から約22000円まで上昇しています。ということは単純に考えて持っているお金をすべて株に投資した場合に資産が2倍になるということです。

日本株が上昇した背景には、アベノミクスが始まって大規模な金融緩和をしたことにより円安になって日本企業の業績が拡大したことや、日本銀行が景気をよくするために株を買い続けていることがあります。また、企業が労働者の給料を上げずに株主に利益を還元する配当金を増やしていることも株があがる原因のひとつとなっています。

このことから金融緩和が始まって以降、収入を企業からの給与のみに頼る労働者や貯金のない家庭は収入に大きな変化はなく好景気の恩恵を受けることができなかった一方で、個人投資家や働きながら株式投資をしている人、または富裕層は資産を2倍近くまで増やすことができました。こうやって経済の格差は開いていくことになります。

金融緩和で財政が傷つき増税につながる

しかし、この話には続きがあって、日本銀行が金融緩和を辞める時には日本銀行は大きな損失を被ることが予想されます。本来なら、日本銀行が出した利益は政府に国庫納付金として納められますが、利益が出ない場合はその納付金が納められません。

納付金が納められないということは政府からしてみれば歳入が減ることになり、財政が厳しさを増すことになります。そして財政が厳しくなった政府は結果的には増税をするしかなくなってしまうのです。

以上の話から、収入を企業からの給与のみに頼る労働者や生活だけで精一杯な家庭は、金融緩和が行われても、収入が増えるどころか、将来実施される増税の影響により将来の使えるお金が減ってしまうのです。一方で、金融緩和で資産を2倍近く増やした投資家たちは将来の増税も仕方がないと思えるでしょう。

まとめ

金融緩和は考え方によっては、投資をしていない人から投資家へお金を寄付しているようなものです。金融緩和によって物価や給与が上がらないのであれば、金融緩和はただの投資家へのボーナスに成り下がってしまいます。

もし、今後も金融緩和で労働者の給料が上がらないとすれば、金融緩和が行われるたびに投資をしない人は徐々に貧乏になっていき、投資をしている人はさらにお金持ちになっていっていくという経済格差を生み出す構図はずっとそのままです。

正直、今の日本の構造を変えることはほとんど無理だと思いますので、投資をしていない人はこれを機に株式投資について考えてみてはどうでしょうか。

株は長期的な考え方で投資することが重要です。そのことはこちらの記事に書きましたので良かったら読んでみてください。⇒【株は下がった時が買い時!株が今後どのくらい安くなるか、仕込むタイミングはいつか考えてみた】

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